なってるハウス通信 第14号  2006年6月1日発行

編集:なってるハウス・スタッフ(広沢、有永、小林)   special thanks:芝田文乃 

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今月のピックアップ・アーティスト


高橋 保行たかはし やすゆき (tb)
「親分肌のやっさん」


高橋保行さんのサイト:yasbone HomePage
 某アメリカの有名ジャズ学校に行っていたと聞いたら、すごいオーソドックスなジャズ かバリバリのバカテクヒュージョンを演奏する人たちを思い浮かべたりしますが、高橋保 行ことやっさんはそんなメンバーを中心におかしなフリージャズ・グループを組織してい ます。やっさん本人がその学校でみんなとつるんでいたそうですが、その某ジャズ学校で 彼らは、他の人たちからはバー○リーのテニスサークルと呼ばれていたらしく、真面目に 楽器を練習すると言うよりも遊び人として認識されていたようです。

 やっさんがリーダーのそのバンドの名はokhp(ogikubo hospital)。ざっとメンバーを 挙げると、スガダイロー、土井徳浩、辰巳光英、松本崇史、TB448、KG183、東保光、磯部 潤、池澤ギエフ・・・渋さのメンバーやその他各方面で活躍の面子が揃っていますが、大 体なんでしょうかね、この、TB448、KG183ってのは。「魁!!クロマティ高校」のメカ沢み たいなのが演奏してるのかと思ったら違います。なんでこんな名前なのかは分りませんが、 きっとやっさんが「お前はこれな」と言って名前を押しつけたのでしょう。そういうリー ダーシップがやっさんの魅力(?)でもあります。

 このokhp、場所や日付によってメンバーが違ったりするのですが、やっさんが書いたカ ッコ良くもユーモアがある、センスの良い曲を演奏します。バンドやメンバーの名前のほ かにも結構やんちゃなところのあるやっさんが、こんなきちんとした曲書くんだと驚きま す。多いときは10人を越えるオーケストラの指揮も的確です。

 トロンボーンプレイヤーとしても、藤井郷子オーケストラ、板倉克行さんや大沼志朗さ ん、松本健一さんのセッションなどで存在感のあるプレイを聞かせています。さすが板倉 さんにはあおられたりしますが、フリーのセッションでの状況判断能力はピカ一です。他 にも嶺川貴子やハードコアバンドとの共演など、多ジャンルで活動してます。

 (高橋保行 撮影:芝田文乃

 親分肌で面倒見が良く、義侠心に篤く先輩プレイヤーたちからもかわいがられるやっさ ん。けどその実やはり変です。本人に会えばすぐにその変人振りが分ります。いつもおか しなことを言っていますが、これはお店でお確かめ下さい。けっこう顔もすごいです。

(スタッフ:小林)
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合羽橋なってるハウス日記    「吉原探訪」


 ついこのあいだスタッフの有永君が「なってるハウス」のすぐそばに引越してきた。何 度か手伝いに行ったりしたのだが、何度行っても迷ってしまう。もう5年も住んでいるの でここいら辺の地理はよく分かっているつもりだったし、昔測量のアルバイトを長くやっ ていたので、道を覚えるのはけっこう得意なのだ。なのに有永君の家には何度行っても迷 ってしまう。そんな不思議な場所について書こうかと思う。

 有永君の引越して来たのはなんと「吉原」のど真ん中のアパートだった。江戸の昔から 続く日本の代表的な遊女街。今でも日本で一番ソープランドのある所だそうだ。場所は「 お酉さま」の裏あたりをもう少し三ノ輪寄りに行った所。蕎麦の「角万」から隅田川に向 かって少し歩いた所。今では「吉原」という地名はない。と書いてしまえば簡単なのだが、 じつは今だにきちんと説明できる自信がない。きちんと用のある方は、鶯谷か入谷あたり からお店に電話をすればちゃんとお迎えの車が来るので、そちらをご利用して下さい。な にしろ千住育ちの鈴木常吉さんやお花茶屋出身の川下さんでさえ車で入り込んでしまうと 迷ってしまうのだ。あまりに面白いので何で迷うのか、考えてみた。
1、上野、浅草近辺の道は浅草寺の参道に平行か垂直に走っているのだが、「吉原」あた りはそうではない。
2、同じような通りが何本もある。(ずらっとソープランドが並んでいて通いなれた人で ないと区別がつかない。こんな通りが4本もある!!)
人間の感覚のいいかげんさが良く分かる。

 用のある人もない人も機会があればぜひ一度行って見て下さい。ある意味、歴史的遺産 の町ですから。「吉原」の出てくる落語や小説(隆慶一郎の「吉原御免状」!!)を聞い たり読んだりしてから行くと感慨深いものがあります。

おすすめは浅草側にある「吉原神社」という小さな神社と大門の側にある天丼の「土手の 伊勢屋」です。
(ただし伊勢屋は並ばないと入れませんので要注意!)

(店長:広沢)
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カウンターの向こうから (スタッフ雑感)    「三上寛とマイルス・デイヴィス」


 先日は久々に三上寛さん率いる「KAJUZZ」の店番でした。いつも凄いと思うのが、 寛さんの存在感。メンバーの鈴木常吉さん、広沢リマさんともにまさにKAJUZZでし か見せないようなエネルギー。共演者のポテンシャルを最大限に引き出しながらも、最終 的にはそれらを持って自分の音楽をしっかり形成してしまう寛さんのリーダー・シップに はいつも脱帽してしまいます。

 あれ?今言ったようなことって、どこかで見たことのあるような・・・。と思ったら、 はたと思い当たったのが、かのジャズ界の「帝王」故マイルス・デイヴィスのことです。 私がマイルス好きってこともあるのですが、寛さんのバンドにおけるリーダー・シップっ てこれに近いんじゃないんだろうかと。
 マイルスの60年代のクインテットや70年代のセッションについて、当時のメンバー のインタビューでは「マイルスは自由にやらせて、特に音楽的に細かい指示は無かった」 と答えていますが、これにしたって、今の常さんやリマさんの弁にそっくりです。

 寛さんがジャズかどうかの話は別として、自分の音楽を強固な意志を持って創造してい く現場を実感できるのがまた格別な、最近の「なってるハウス」なのです。

(スタッフ:有永)
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